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2023年09月01日

農業におけるSDGsの取り組みとは?具体的な取り組み例を紹介!

今日では環境問題や食品ロス、働きがいや経済成長といったさまざまな課題が世界中で問題となっています。こうした問題を解決するために国際目標として掲げられているのが「SDGs」と呼ばれる目標です。SDGsというと環境問題が取り上げられがちですが、SDGsにはさまざまな目標が含まれています。

SDGs達成のためには政府だけでなく、個人や企業単位においても目標への解決策を模索し活動することが大切です。そこで今回は、農業に携わる人がとくに意識すべきSDGsの取り組み方についてお話します。

1. 農業におけるSDGs

SDGsについてあまり知る機会がない人は、もしかすると農業でSDGsを達成できるイメージが付きづらいかもしれませんが、農業を通してSDGsを達成するためにできることは想像以上にたくさんあるのです。農業におけるSDGsの取り組みについてお話する前に、SDGsとはどういうものなのかについて簡単に説明します。

1-1. SDGsとは

SDGs(持続可能な開発目標)とは、世界中のあらゆる立場の人が集まって現在課題となっている問題について整理した上で、2030年までに達成するべく立てられた目標のことをいいます。世界中の多様な立場の人が集まって整理した目標であるため、日本にいるだけではなかなか気づくことの難しい課題についても取り上げられているのです。

SDGsに向けた取り組みを行うことで、日本だけでなく世界中の人の課題解決につながります。これから先の未来を幸せに過ごすためにも、SDGsへの取り組みは非常に重要なミッションであるといえるでしょう。

1-2. 農業の課題

一方で、農業にも農業特有の課題があります。日本では農業従事者の高齢化が進み、若者の中で農業に従事しようと考える人が減少することで深刻な人手不足に悩まされているのです。また、世界に目を向けてみると、農薬を使用した作物を動物が摂取することによる生態系への影響や気候や自然災害による農業への影響など、農業はさまざまな問題を抱えています。しかし、これらの問題はひとりひとりの取り組み方次第で解決できるものが多くあります。その上、これら農業における問題の解決法と、SDGs目標には多くの共通点があるのです。

2.農業従事者によるSDGsの取り組み

農業に携わっているからこそできるSDGs達成のための取り組みはさまざまあり、多くの農家や農業に従事する企業がSDGs達成のために活動しています。ここからは、SDGs達成のための具体的な取り組み内容について紹介します。

2-1. SDGs開発目標13-気候変動に具体的な対策を

SDGs13番目の目標に気候変動に具体的な対策を講じるというものがあります。農業の場面で行われている取り組みのひとつに、バイオスティムラントの開発と活用があげられるのです。バイオスティムラントとは、アミノ酸やミネラルといった植物や海藻に含まれる成分を多く含むものをいいます。

バイオスティムラントを農作物に与えることで、過酷な環境やストレスに強い作物が育ちます。ストレスに強い作物は枯れることが少なく、より多くの農作物を供給できるのです。農作物を多く供給できれば農業全体の発展につながるばかりでなく、世界中で飢餓によりなくなる人も減らせることでしょう。

2-2. SDGs開発目標12-つくる責任つかう責任

環境に配慮しなるべく無駄をなくすことは、SDGsの開発目標だけでなく農業でも非常に重要な課題です。この目標を達成するための取り組みにアクアポニックスというものがあります。アクアポニックスは、魚の養殖(Aquaculture)と水耕栽培(Hydroponics)を合わせた造語で、漁業と農業を融合した全く新しい農業の形といえます。

植物がろ過したきれいな水の中で魚を養殖し、魚の排泄物を肥料として植物を育ててその植物がまた水をろ過するというエコサイクルを実現できるのが、このアクアポニックスなのです。アクアポニックスは魚の養殖や水耕栽培で出るものを、お互いに再利用するので環境に負荷が少ない方法として近年注目を集めています。

2-3. SDGs開発目標15-陸の豊かさも守ろう

農業は陸で行うことから、陸域生態系への配慮や森林の維持・回復とは切っても切れない関係があります。とくに害虫対策のために散布される農薬の中には多くの生物にとって有毒なものもあります。よく使用されるネオニコチノイド系の農薬には神経毒として作用する特性があるため、農地付近の生物を死滅させることで生態系に影響を及ぼすのです。また、排水が川や海に流れ出ることで海洋生物の生態系にまで影響を及ぼします。

こうした農薬問題を解決する方法として、有機栽培を行い環境への影響の大きい農薬の使用を極力減らすというものがあるのです。農薬を使用しない分見た目は農薬を使用したものに比べて劣りますが、消費者へ無農薬という安心感を与えられるため、農薬を使っていない有機栽培の野菜を好んで購入する消費者が増えてきています。農薬は人体にも完全に無害とは言い切れない面もあるので、私たちの健康面を考えた場合にも、農薬の使用は控える方が良いでしょう。

3. まとめ

SDGsへの取り組みは今すぐにでも始められます。いつもは廃棄している形の悪い野菜を道の駅などで販売するだけでもSDGsの取り組みです。将来世界中の人が安心して暮らせる環境づくりのためにも、今日からSDGs解決の第一歩を踏み出してみませんか。

「K’s Garden Lab.」では、農業体験はもちろん、農業講習を通してSDGsについて学べます。農業体験を通じて農業の楽しさや知識、SDGsへの取り組み方について触れてみませんか。少しでもご興味がある方がおられましたら、お気軽に「K’s Garden Lab.」までお問い合わせください。